とあるIT企業が開発した女性型ロボット「ARISA」が東京都の実施する「都営地下鉄施設内における案内・警備ロボット実証実験」に参加することが発表された。
近年「PEPPER」(感情認識ヒューマノイドロボット)、「AIBO」(ペットロボット)、「LOBOT」(家族ロボット)等、多くのロボットの開発と普及が増加しているが、今回発表された「ARISA」は一体どのようなシステムが搭載されているのか、ご紹介していこう。
ARISA(女性型ロボット)とは
『ARISA』とは一体どのうようなロボットなのか?
簡単に言えば、人間の能力並み、もしくはそれ以上の知識と能力を持ったAIロボットである。
‘AI’とは、人のような知的な情報処理を実現するソフトウェア(プログラム)であり、AIロボットはそのプログラムの行う情報処理に「賢さ」を持ち合わせていることが出来るロボットです。
このため、AIと呼ばれるプログラムは自律性・意味性・技巧性・適応性のうち、いくつかを特徴として備えており、今回の『ARISA』で言えば、以下の能力を兼ね備えているのだ。
①認知・興味・安心・安全の4つの特徴を持つ受付・案内が出来る
②上記情報から発展した情報提供(日本語会話、外国語対応、案内機能)
このような優秀なロボットが普及することによって、様々な職場やシチュエーションで同様のロボットが代替できるようになり、多くのメリットを生むことになる。
今回の実験では、2020年東京オリンピックに向けて、東京都が実験的な意味合いで多様な利用者が行き交う都営地下鉄の駅を調査対象の場とし、そこで用いられるのがこの『ARISA』になったというわけだ。
では実際にこの『ARISA』の設置場所や期間をご紹介していこう。
ARISA(女性型ロボット) 設置駅
今回の実証実験に向けて、事前公募で設置ロボットを募り、厳選な審査の結果『ARISA』が選ばれたのだが、実際にどこの地下鉄の駅に設置されるのか?
今回の取り組みでは、「案内や問合せ対応等」と「警備・警戒・見守」の2パターンに対応するロボットを各所に設置。駅をフィールドとして、ロボット活用の可能性や有効性などを検証する。
「案内や問合せ対応等」:大江戸線都庁前駅都営交通案内所、大江戸線上野御徒町駅ツーリストインフォメーションセンター
「警備・警戒・見守」:大江戸線国立競技場駅、大門駅、新宿西口駅、新宿線馬喰横山駅。
『ARISA』に関しては「案内や問合せ対応等」の実験ロボットになるので、上記の設置場所となる。
ちなみに、『ARISA』以外の案内、問い合わせ対応ロボットは、デジタル警備員(テイケイ)、エキボ(日本信号)、EMIEW-TT(日立ビルシステム)の4種類である。
ARISA(女性型ロボット) 設置期間
今回の実証実験の期間はどれくらいになるのか?
東京都のHPによると、
平成30年12月10日(月曜日)から平成31年2月下旬まで(予定)
となっている。
実験の結果によっては期間が前後することもあるかもしれない。
ARISA(女性型ロボット) 名前 由来
ではこのいかにも人間らしい名称のロボット『ARISA』だが、名前の由来は何なのか?
開発者の名前か?開発会社のスタッフの奥さんの名前か?と推測してしまったが、実際は以下の通りである。
『 ARISA = ARUZE ROBOTICS INTERACTIVE SOLUTIONS ANDROID 』
対話を通して様々な問題を解決するロボットという意味が込められているようだ。
この「ARUZE」とは開発会社である「株式会社アルゼゲーミングテクノロジーズ」のことを指している。
会社のHPによると、アルゼとは以下の意味らしい。
社名の由来
先頭の2文字”AR”は、シンボルマークにも使用している始祖鳥(アーケオプテリクス:Archaeopteryx)から用いています。
これらは、恐竜として始めて空を飛び、鳥の祖先になったと考えられている始祖鳥の「チャレンジ精神」、また飛躍した「感動」を大切にしたいという当社の心を喩えたものです。”U”は、万人に普遍的にエンターテイメントを自由自在に提供する精神の象徴であるユニバーサル(UNIVERSAL:アルゼの旧社名)の頭文字です。
したがってこの”U”は、ユニバーサル時代のコーポレートカラーである赤色を継承しています。4文字目の”Z”は、先頭の”A”から”Z”までのアルファベットの”すべて”を、また”E”は、エンターテインメント(Entertainment)を表し、”ARUZE”の5文字を合わせて「すべてのエンターテインメントに自由自在に挑戦していく」という当社の気持ちを込めた社名となっています。
ARISA(女性型ロボット) 制作会社と製作者について
前述したが、今回の『ARISA』の制作会社である「株式会社アルゼゲーミングテクノロジーズ」だが、様々な開発事業を行なっており、主にゲーミング事業に特化し海外向けカジノマシンの企画から製品化に至るまで一貫した開発業務を行っている会社である。
【株式会社アルゼゲーミングテクノロジーズHP】
『ARISA』の具体的な開発者名は不明だが、自社開発ロボットとして今回の実験前から少しずつ様々な業界で普及しており、2019年に渋谷ヒカリエにて開催されるアパレル展示会PLUG IN 2019SS内でも展示される予定だ。
『ARISA』は設置後にコンセントとLANを繋ぐだけで稼動できるようなシンプルな設定になっており、設置する企業側も安心して扱えるのだ。
東京オリンピックに向けての今回の実験では、どれくらいの効果を確認できるかは未知数であるが、来日する諸外国の観光客にとってみればとても強い味方になるだろう。
日本人も、企業側にとってみれば人件費削減等、メリットを多く感じることができるに違いない。
しかし、冷静に考えてみると、もはや日本人の仕事の多くは今回のようなAIロボットに取られていき、今ある仕事の半分以上は消滅していくのではないかと心配にもなる。
受付業務、案内人、通訳、警備員、、これらの仕事はAIロボットが全て占拠していく。
ロボットの普及で便利になる一方、日本人の働き方にも各自危機感を持って考えて生きなければ、我々の未来は無職で過ごすことになってしまう。
今回のニュースを拝見して、これからの働き方も考えていかなければいけないと、ある種危機感を与えてくれたことに感謝したい。
みなさん、『利便性』の代償は、致命的な人生のダメージになることを肝に銘じて生きていってほしい限りだ。
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